よたか 2015.09.15 09:50:00
絨毯は、西アジア、中央アジアの遊牧民たちのなかで大きく発達してきました。
広い草原を移動する彼らにとって、丈夫で軽くてコンパクトなフェルトやパイル織りの絨毯は、生活に欠かせない必要品です。
厳しい自然条件から身を守る、保温、保湿、弾力性、撥水性にすぐれた羊毛製の絨毯は、家畜の世話の合間に、女性たちが自分たちの為に作っています。
販売目的ではないので、織り幅も狭く、それほど大きくありません。古風でつたない技巧で、染斑(そめむら)や織斑(おりむら)がある事もあります。
しかし、各部族に伝わる素朴な幾何学的なパターンに、多くの人が魅力を感じています。
遊牧民の定住化がすすみ、遊牧民の絨毯が減ってきているのも、人気の一因かもしれません。
広い草原を移動し、大地とともに生きて来た遊牧民たちの絨毯は、都市に住む我々に多くの事を語りかけている気がしてなりません。